永遠の愛

それから自棄に気になってしまった。

一条くんは何で休むのかも分かんないし、そんな天野さんは昼を過ぎても起きてくる事もなかった。

何度か話しに行こうと思ったけど、気分的にそっとしてほしい。と言う天野さんの声が聞こえた様に感じ、結局は何も話しをする事も出来なかった。


学校行くまでの時間、あたしは教科書に目を通し頭に叩き込む。

だけど、やっぱり気分は優れなくて一息吐いた時だった。


また新たに鳴りだす携帯に視線が向く。

目の前にある携帯が音を出し光る。


その携帯をそっと掴みあたしは少し首を傾げた。


…葵?


「はい」

「あー…美咲?」

「うん」

「諒也から聞いたけど…」


そう言った葵の声がいっきに落ちる。


「あー、うん。ごめんね、諒ちゃん遅くなって」

「いいけど、大丈夫?諒也心配してたよ?」

「うん、なんとか…」


なんとかじゃないくらい分ってるけど、こんな事、葵に言えないよ。


「そっか…」

「うん…」


少しトーンの落ちた会話に息を飲む。

数秒の沈黙が過ぎ去った時、


「あ、あのさ、」


葵のちょっと困惑気味た声が電話口から聞こえた。






< 354 / 625 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop