永遠の愛
それでいいんじゃない?って思う反面、そうなんだ…って少し弱気な自分がいる。
もともと辞めた事に少し躊躇いもあって、あたしの所為なんじゃないかな?って思ってたし。
あの出くわした女にだって、そう言われたんだから。
だからその所為で翔と距離をおこうって思った。
あたしは何の為に居るんだろうとか、そんな事を考えてしまったから。
この5年の間、正直何がどうあって進んでいたのかも分んないし、なんもないと翔はあの女の事を言っていたけれど実際は分んない。
だって、あの女が居たから今の翔が居るんでしょ?
そんな事を考えてたら刻々と時間が過ぎ、学校に行く時間が迫ってた。
あたしに全く顔を見せない天野さん。
とりあえず鞄の中に必要な物を入れて準備した後、2階に上がった。
「…天野さん?」
ベッドに近づきそう声を掛ける。
でも、天野さんは顔を出すことなく布団に包まっている。
「もう行く時間だから行くけど、天野さんは休んでいいから。…で、これ鍵なんだけどここに置いとくね」
予備の鍵をガラステーブルの上に置く。
何の返事がないまま、あたしは部屋を出てすぐに学校へと向かった。