永遠の愛
翔の後を続いて足を進めて行く。
地下から地上に上がると、目の前には街灯で照らされたタワーマンションが目に飛び込む。
「こんなマンションあったっけ?」
以前住んでたところと近い場所にあるこのマンション。
だけどこんなマンションあった記憶もない。
呟いた声に翔はオートロックを解除し、あたしに視線を送った。
「あー、ここ?丁度一年前に建ったんだよ。だからそれと同時に引越した」
「へー…そうなんだ」
「前より部屋は小さいから何も物とか置いてねぇの」
「うーん…翔の感覚ってやっぱ分かんないや」
「何だそれ」
クスクス笑う翔に続いて中に入る。
中に入ると、前みたいな物凄い高級ホテルのようなマンションじゃないって事は確か。
だけどエントランスもホテル並みの広さに物凄く綺麗な設備。
相変わらず、価値観違うよな。
「…家賃高そう」
37階建てのマンション。
エレベーターでその最上階で降り、部屋に入った瞬間に思わずあたしはそう呟いた。
「高いっつっても、前の半分以下だし」
「へー…これでね。しかも最上階」
「あ、そうそう。別に最上階じゃなくても良かったんだけど、なんかここしか空いてなくて。あと何個か下の階にあったけど1LDKだったし」
「へー…」
2LDKの部屋。
前よりはリビングだって小さくなってるけど、それでもまだ広いのは確か。
以前あった4人掛けのテーブルがなんとかおけて、真っ白なソファーとガラステーブルと薄型のテレビのみ。
白で統一されたリビングが自棄に綺麗だった。
…依然と変わらない風景。