永遠の愛

「この前、墓行ったらさ、見掛けたから。お母さんの墓に行ってたんじゃねぇの?」

「そう…」

「大丈夫?体調悪いんじゃねぇの?」

「…体調?」


…何の体調?


「なんか雰囲気的にしんどそうっつーか、自棄に咳き込んでたけど。風邪?」

「さぁ…ここ最近会ってないから」

「ふーん…。けど様子見に行ったほうがいいんじゃねぇーの?すげぇ激しかったから。…ま、そー言う事」


“んじゃ、”


一条くんが軽く手をあげて姿を消した後、また自棄に頭の中で引っ掛かってしまった。


一条くんといい、天野さんといい。

忘れようとしてる事を次々と出していく。


だから気になって気になって仕方がなくて、どうしようもなくなる。


だけど咳き込むって、風邪引いてんだろうか。

電話したいけど、今更出来ないよ。


今更したら、ただのずうずうしい女。


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