永遠の愛
「だって、あの時は俺に眼中なかったもんな」
「いやいや」
田口先輩は相変わらずの口調でケラケラ笑った。
ほんと変わってない。
ただ、チャラチャラした感じは落ち着いてて、少し大人びてるって感じ。
「つか、美咲ちゃん変わってないね。っつーか大人っぽくなってる」
「田口先輩こそ。あー…あたし、ずっと言いたかったんですけど留学の事、有り難うございました」
今更だけど、留学を全部全て決めてくれたのは田口先輩だ。
会う機会も全くなくて、結局は言えないままだったけど、こうやって会えたことに何だか嬉しかった。
「いや、別にいいけど。どうだった?」
「色々学べたし良かったですよ。後、色んな所も連れて行ってもらいました」
「そう、良かったじゃん」
「はい。…ところで田口先輩は何してたんですか?」
グルっと店内を見渡すあたし。
だって、ここは旅行会社。
「あー…俺?ワンホリしてて、ちょっと海外検索で寄っただけ」
「えっ!?ワンホリって、ワーキングホリデーの事ですか?」
「そうそう」
「え、田口先輩行ってたんですか?」
「そう」
「何処に?」
「カナダに」
田口先輩がそう言った瞬間、思わずあたしは目を見開いた。