永遠の愛
「あ、いや…」
「それ、なるつもり?オーストラリアで」
「……」
「つか、知ってんのその事。諒也達は?」
「……」
「何も言わねぇって、事は本気か」
「いや、これは…」
「これは?」
鋭く突っ込んで来る先輩に言葉なんて出るはずもなく息詰まる。
帰って来たばかりなのにまた行くの?と、でも言いたそう。
しかも“日本語講師”って。
「誰にも言わないで下さい」
「誰にもって、マジでやるの?日本に帰って来たばっかじゃん。なのにまた行くの?」
あたしが思ってた通り、先輩はやっぱしそう思ってた。
「まだ決めてないけど…」
「決める決めないの問題?ほら、翔さん知ってんの?」
「……」
ここにも出て来た翔の名前。
正直、あんまり聞きたくない。
だって、決めるのあたしでしょ?
もう関係ないの、翔は。
だけど、そんな事言えるわけもなく口は閉じたままだった。