永遠の愛
「つか、それってヤバくね?美咲ちゃん、勝手に決めてんの?」
思わず首を左右に振ってしまった。
勝手にじゃない…
勝手になんかじゃ…
でも、これって勝手か。
って言うか、もうみんな関係ないの。
でも、だからと言って先輩に“別れてるんで!”なんて言えない。
ここで言っちゃえば確実に諒ちゃんの耳に流れ込むに違いない。
だから。
「と、とにかく!まだ決めてないんでって言うか、これは関係ないの。だから先輩は何も言わないで下さいよ」
「はぁ!?」
「お願いですから!」
念を押すように言うあたしに先輩はおもいっきり顔を顰めて首を捻った。
「言わねぇけどさ、ここに居たらバレちゃうかもしんねぇよ」
「な、何で!?」
「諒也、顔広いから。しかも翔さんだって。しかも立ち寄ってる場所がここじゃね…」
「あ…」
そんな事は何も考えてなかったけど、一条くんが諒ちゃんの事を知ってたのは確かだった。
有名だろ、あの人。…そう言ってた。
「誰かが諒也の耳に入れ込めば隠すにも隠されねぇよ?しかも今、俺だしよ」
「俺、ですか…」
「問い詰められるの俺、だからね」
その笑みは何なんだろうか。
良く分からない先輩の笑み。
諒ちゃんにバレたら言っちゃうよ?的なその笑みに思わず顔を顰めた。