永遠の愛
「なんとか、ね」
「だったらいいですけど。…あ、そうだ」
「うん?何?」
「センセ、あたしね。メイクをもっと学ぼうと思って留学しようと思ってるんです」
そう言った天野さんは最高の笑みをあたしに向けた。
「うん、みたいだね…」
「あれ?奏斗から聞いた?」
「うん聞いた。一緒に行くんだってね」
「はい。場所は違うけど、前からずっと奏斗が誘ってくれてたんです。だからもっともっと頑張ろうと思って」
「良かったね。いつから行くの?」
「3月の終わりです」
「そっか。2人とも頑張って来て応援してる」
「センセーと会えなくなるのは寂しいけど…」
天野さんはそう言って少しだけ目尻を下げる。
「また会えるよ。日本に帰って来たら会おう」
そう言ったけど、もうあたしも日本に居るか分んないんだ。
自らみんなとバラバラになる選択を作ってるのは、この…あたし。
「はい。多分、センセーが居なかったら頑張ろうと思ってなかったよ」
「え、あたし?」
少し驚いたあたしは自分の顔に指差して天野さんを見つめた。