永遠の愛

「なんとか、ね」

「だったらいいですけど。…あ、そうだ」

「うん?何?」

「センセ、あたしね。メイクをもっと学ぼうと思って留学しようと思ってるんです」


そう言った天野さんは最高の笑みをあたしに向けた。


「うん、みたいだね…」

「あれ?奏斗から聞いた?」

「うん聞いた。一緒に行くんだってね」

「はい。場所は違うけど、前からずっと奏斗が誘ってくれてたんです。だからもっともっと頑張ろうと思って」

「良かったね。いつから行くの?」

「3月の終わりです」

「そっか。2人とも頑張って来て応援してる」

「センセーと会えなくなるのは寂しいけど…」


天野さんはそう言って少しだけ目尻を下げる。


「また会えるよ。日本に帰って来たら会おう」


そう言ったけど、もうあたしも日本に居るか分んないんだ。

自らみんなとバラバラになる選択を作ってるのは、この…あたし。


「はい。多分、センセーが居なかったら頑張ろうと思ってなかったよ」

「え、あたし?」


少し驚いたあたしは自分の顔に指差して天野さんを見つめた。



< 461 / 625 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop