永遠の愛

「今日、バイトが終わって駅に向かう途中、出会いましたよ」

「え、諒ちゃんに?」

「はい。元気か?って、そう言われました」

「つか、何してんの、諒ちゃん…」

「仕事中みたいでした。それで美咲センセーの事、気にしてましたけど」

「は?あたし?」


またもやビックリ発言をする天野さんにあたしは目を見開く。

気にするのはあたしじゃなくて、葵でしょーが。


「最近アイツどう?って言ってましたけど」

「何それ…」

「まぁ、何て言うか美咲センセーの事、気にしてたので。…って言うか、前から思ってたけどセンセーの周りってカッコいい人ばっかじゃん」

「さぁ…」

「センセーってさ、色んな意味で幸せ者だね。羨ましい」


ニコっと微笑んだ天野さんは、まるであたしのその後の言葉など聞かないように背を向けて階段を駆け上がった。


“幸せ者”


あたしには無縁だった言葉。

その言葉は葵からも言われた事があった。


何がどう幸せなのかは分かんないけど、そんな事、思った事なんて一度もない。


何がどう幸せなのか、教えてほしい。


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