永遠の愛
「ほら、こうやって話してる事とか、外で話してる所とか見られてちゃね」
「……」
「どこでどう見られてるかわかんねぇしな」
「…それは違うよ。一条くんじゃないから」
確かに、一度一条くんちに行った時、翔に見られてた時があった。
でも、その所為じゃないの。
確かにあたしも変な行動をとったのかも知れないけど、実際はそれじゃないの。
「…そう。じゃ、なんで日本語講師に?」
「誘われたから」
「へー…誘われたね。だから行くの?」
「そうだね」
別にもう隠す必要もなかった。
誰にも隠す必要なんてなかった。
「逃げるのに好都合ってやつ?」
「なに、それ…」
ジっと身構える一条くんに小さくあたしは吐き出す。
逃げるって、何?
「正直、俺。気にしてんの。美咲ちゃんが泣いてた理由。理由がどうであれ、本心から望んでねぇのに行く気?」
「それも一条くんに関係ない」
「…関係、ないか」
フッと笑った一条くんは壁につけてた背を離し、あたしと真向かいになる。
「まぁ、関係ねぇけどさ。…でも、もっと考えたら?俺は納得出来ねぇよ」
続けられた一条くんの言葉が何だか途轍もなく心に重く感じてしまった。
何でいつもこう、あたしの気持を揺さぶるかのように周りは動くんだろう。
昔っから変わってない周りの環境。
それが途轍もなく、あたしには重かった。