永遠の愛
「何か?」
そう言って振り返ると、アカネさんは下ろしてた腰を上げて立ち上がる。
「この前、会いましたよね。…翔の病院で」
そう戸惑いながらにも聞いて来るアカネさんはあたしを身構えるかのようにジッと視線を送った。
「そう、ですね」
「もしかして…翔と付き合ってたの?」
食いつく様に聞いて来るアカネさんはあたしに対抗心を持っているのか、視線を逸らそうとはしない。
「前に…」
「そう、なんだ。…翔の事、好きなの?」
「え?」
思わず落としてた視線をもう一度上げてしまった。
アカネさんはまだあたしに視線を送ってて、その表情は真剣だった。
「あたし翔が好きなの」
ハッキリと言ったアカネさんの言葉。
その言葉に、知ってます。なんて言えなかった。
「何であたしに言うんですか?」
それが正直なあたしの気持。
「あたしと翔は学生の頃、付き合ってたの。けど、急なあたしの転校で自然消滅的な感じで別れちゃったんだけど…」
「……」
「でももう一度再会して、翔を思う気持ちは変わらないの」
別に何も聞いてないのに、アカネさんは一人で過去の話を勝手にしゃべってた。
だから、何?
それが、何?
あたしの率直な感想。