永遠の愛
「…うん」
「で?行く事、言ったのかよ」
「言うわけないでしょ」
諒ちゃんは敢えて言葉には出さなかったけど、それが海外に行くって事がすぐに分かった。
「あぁ、そう」
「言わないでよ」
「言わねーよ。お前の事なんか何も言ってねぇよ」
「…そう」
ボンヤリと見つめる窓の外は、もう既に薄暗く明かりがまばらにポツポツと光り出す。
その光を家に着くまでずっと眺めてた。
「ごめん、ありがとう」
家の前に停めるとあたしはドアを開けながら口を開く。
「じゃーな、」
そう言った諒ちゃんにコクンと頷き、諒ちゃんの車を見送った後、家に入った。
得に何もする事なんてなかったけど、何かをしてないと余計な事を考えてしまうから、あたしはその日、ひたすら教科書と向き合ってた。
昔から変わってない悩みの体質。
深く思えば思う程、苦しくなるのは今も変わってない。
あの頃に戻りたいないなんて思わないけど、
今…
生きてる時間も好きじゃないって、そう思った。