永遠の愛
寂しさの末
いつもとは違った昼間の光景。
ザワザワと騒ぎ合う中、それぞれに卒業証書を手にしてた。
全日制も含め、沢山の人達が旅立っていく日。
…卒業式。
そんな光景をみて、懐かしいと言う言葉が頭を過る。
「…センセっ、」
不意に聞こえた声に振り返ると、そこには笑顔の天野さんがあたしに駆け寄る。
「おめでとう」
「ありがとう」
返すあたしの言葉に天野さんは口角を上げる。
「短い間だったけど、楽しかったよ」
「あたしもです。今、ここに居るのもセンセーのお陰だから」
「そうかな?多分、あたしじゃなくて一条くんだと思うけど?」
「あー…そうなのかな?でも、センセーが居たから頑張れたよ?色々と迷惑掛けちゃったし、ごめんなさい」
「それは…あたしのセリフでもあるから。ありがとう、天野さん。あっちに行っても頑張ってね」
「はい」
そう言った天野さんの瞳が次第に涙ぐんでた。
だけど、それはあたしも同じだった。
天野さんは今にも涙が出そうな瞳。
その一滴の滴が頬を伝った時、一瞬にしてあたしの身体が揺れた。