永遠の愛
「あたし…仕事ないの」
辞めちゃったから何もない。
ほんとに何もなくてこの先どうしようかと思うくらいに情けなくなる。
なのに。
「あぁ」
翔からはどうでもよさそうな呟きだった。
「あぁって、何?」
「あー…いや、別にいいんじゃね?って事」
「別にいいって言われてもな。探さなきゃ…」
「いや、だから別にいいだろ」
「その意味が分かんない」
「ゆっくりしろよ」
「ゆっくりって言われても散々したしな。それに時間の使い方が分かんない」
そう言ったあたしに翔はクスクス笑みを漏らす。
「やっぱ、美咲らしいな」
「らしい…と言われてもね」
「金の事は心配いらねぇから。美咲の分もなんとかなる」
「でも、家のローン…」
「それも何とかなる。だから心配すんな」
“あと一時間、寝ようぜ”
グッと抱え込まれたまま付け加えられた言葉に、「うん」と頷き、あたしは目を閉じた。