永遠の愛
時間ってもんはやっぱり分んない。
目を閉じて少しだけ睡魔に襲われてた時間が1分にしか思わなかった。
寝がえりを打って、その隣の気配のなさに目を開けると、この無駄に広いベッドにあたししか居なかった事に少しだけ焦った。
慌てて身体を起すと同時にズキンと痛みを伴う頭。
寝てない所為か、疲れか、そんなのは分んない。
でも、それを最悪だとは思わなかった。
だって、その最悪だと思ってるのはきっと翔の方。
仕事だと言うのに、一睡もしてないのに行かないといけないと言うこの現状。
頭を擦りながら素早くベッドから抜けだし、慌ててリビングに向かう…のにも係わらず、
「あれ?もう起きた?」
いつもと変わらないままの翔がタバコを咥えたまま座ってた。
「あ、ごめん…」
「うん?」
「何か食べた?」
「何も」
「じゃ――…」
「って言うか、何もねぇから。食材」
“だから何もしなくていい”
苦笑い気味で付け加えられた言葉に「あぁ…」って、曖昧に頷く事しか出来なかった。