永遠の愛
「うん?翔?」
確かにそう言った香恋ちゃんの言葉に辺りを見渡すけど、その存在すらない。
首を傾げながら香恋ちゃんをジッと見つめると、
「しょーくんのおうち」
可愛い口からそう吐き出された。
「え?翔のおうちに行くの?」
「うん」
「けど、まだ居ないよ?」
「いいの。行く」
「うーん…」
そう呟いたあたしは頭を捻った。
香恋ちゃんが居る日は大概自分の家に向かう。
そして葵か、もしくは諒ちゃんがお迎えに来てくれる。
だから悩んだんだけど。
「しょーくん、しょーくん」
何度もそう言ってくる香恋ちゃんに、苦笑いが漏れ仕方なさを感じた。
「じゃあ…いこっか」
「うん」
翔のマンションに向かう途中、スーパーに寄って香恋ちゃんの飲み物と食材を買った。
マンションに着くとすぐに香恋ちゃんはジュースを口にする。
「香恋ちゃん…今日はハンバーグだけどいい?」
「ハンバーグちゅき…」
可愛らしくそう言った香恋ちゃんに思わず笑みが漏れる。