永遠の愛
エピローグ
────…
もうすぐで朝日が登ろうとする時間。
隣で眠ってる翔を起こさないように起き上がり寢室の窓をそっと開けた。
今から少しずつ夏に近づこうとする風は心地よく心が澄んだ気持ちになる。
ここから見渡せる街並みも、あの頃と何も変わらない。
…また、1日が始まる。
「…美咲?」
不意に聞こえた小さな声に、あたしはゆっくりと振り返る。
「うん?」
「どした?」
「全然変わんないなーって思って。…あの頃とね」
「あー…」
「ねぇ、欲しい物決まった?まだ、聞いてないから」
「あー…」
言葉を濁しながら翔はベッドのシーツを剥ぎ取りテーブルに腕を伸ばす。
そして。
「美咲が書いたこれ」
そう言って婚姻届の紙を摘んでヒラヒラとさせる。
「それ?」
「そう。これが欲しかったから、もう何もいらねぇよ。その前に──…」
翔が何かを言おうとした瞬間、眩しいくらいの朝焼けで視線が向いた──…