永遠の愛
「それよか美咲、学校どうなの?」
ソファーに腰を下ろした葵は首を傾げながらそう言った。
「学校って、まだ授業してない」
「雰囲気だよ、雰囲気」
「まだ分かんない」
「何それ」
「とりあえず学校の構成とかさ、クラスの名前とか、勉強の範囲とか、覚える事は山ほどある」
「へー…大変そう。って、え?クラスの名前って美咲、担任になんの?」
葵は少し声を上げて目を見開いた。
「授業だけ教えてればいいって思ってたのに、そうじゃなかった」
「美咲が…担任?」
「そう、あたしが。でも仕方ないんだよ、辞めた人がさ、そのクラスの担任だったから」
「へー…」
「なんか、出来そうにないや。生徒の事まで考えてらんない」
フ―っとあたしはため息を吐き捨てる。
「先生がそんな事言っちゃダメでしょ」
「そうなんだけどねぇ…」
考えてみれば、おかしな話しだ。
なんで先生になろうとしたのかも分かんない。
もっと、あったのに。
通訳に、英語塾、通信講座の採点。英語を生かす職業なんて他にもいっぱいあったのに、何で先生になろうと思ったんだろ。
生徒の環境に馴染むのかな…