俺様or激甘彼氏はいかがですか?


昇降口で立ち止まったあたしを、梨華が振り返る。


「…どした?」
「……ごめん梨華。あたし行って来る!」


つい今さっき履いたばかりのローファーを脱ぎ、靴下のまま走り出した。

……あたし、高杉くんに自分の気持ち言わなきゃ。
素直に、自分の口で。今までの分。


あたしの背中に、梨華が小さく、
「……頑張んなよ」
そう言う声が聞こえた気がした。





高杉くんの靴がまだあったから、学校に居るはず!
あたしは全力で階段を駆け上がり、2年の階を目指した。
上靴履けば良かったかな?滑って走りにくい。


やっと2年の階に着くと、ハァハァと荒い呼吸が止まらない。
膝に手を着いて、前屈みになりながら必死に息を整える。
ダメだ……あたし歳かも。


体勢を直し、小走りで一つ一つの教室を覗く。


居ない……ここも居ない……。


結局2年の階に、高杉くんは居なかった。
次は下だ!

急いで階段を降り、角を曲がった時。












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