俺様or激甘彼氏はいかがですか?


「……え…」
「……駄目だよ……」


驚いた表情を見せる高杉くんに、あたしは目が見れない。
俯き、今にも消えそうな声で呟いた。


高杉くんは眉間にシワを寄せ、あたしの顔を覗き込んだ。


「…何で、あかん?」
「……高杉くん……他に彼女いるでしょ?」


あたしの一言に、一気に曇った表情。
やっぱり、本当なんだ……。


「……あたしは、来る者拒まずの中の一人かな…?」
「…はぁ?」


あからさまに怪訝な顔をする高杉くん。
あたしの目には涙が溜まり始める。


「…聞いちゃったんだ。高杉くん来る者拒まずだから、彼女が沢山いるって。さっきの女の子も、その内の一人?それとも本当の彼女?」

「…お前、何言うてんねん?」

「……だって、あたしにはすごく冷たいのに、他の女の子達には優しいじゃない!あたしの事好きじゃないんでしょ?だから冷たいんでしょ?……そうなら、もうこれ以上期待させないで。辛いよ。高杉くん、あたしの事どう思ってるの?ハッキリ言って欲しいよ……」



……違う。こんな事が言いたかったんじゃない。
『あたしの事嫌いでも、諦めずに頑張るから、少しだけあたしを見て欲しい』
そう言うつもりだったのに……。


涙が頬を伝い、スカートの上に落ちて黒く染める。
これじゃ余計に嫌われるよ……。
泣き止め、あたし。


そう思えば思う程、溢れて来る。




……高杉くん、あなたにとって、あたしって何ですか?
彼女?取り合えず付き合ってる女?欲望の処理相手?
……それとも、ただのウザい女かな……?





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