俺様or激甘彼氏はいかがですか?


教室のドアを開け、真っ先に目に入ったのは女の大群。
まるで獲物でも狙っているかのような鋭い目を俺に向け、走って襲いかかって来た。


「ねぇ!あなたが噂の高杉晴くんでしょ?カッコいいね!」
「今彼女いるの?どんな子がタイプ?あたしみたいなのは?」
「ていうか何か喋ってよ~!…あっ。もしかして女の子苦手?可愛い~!」
『可愛い~♪』


気付けば周りを完全に包囲され、抜けるに抜け出せない状態だった。
キンキン響く女の声。
うるさくて頭が痛い。
俺は頭を片手で支え、低い声で呟いた。


「……そこどけ。邪魔や」


一瞬でシン…となる教室。
怯んだ女達の間を、無理矢理通って抜け出した。


あー…胸くそ悪い。
女ってウザいねん。


乱暴に自分の席に座ると、教室はザワザワとまた騒がしくなった。
各々自分達の会話に戻ったんだろう。
俺は平然と、脚を組んで座っていた。







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