俺様or激甘彼氏はいかがですか?


「おいおい高杉」
「…んだよ。今のは女が悪いやろが」
「そうだけどさぁ」


俺の前の席の椅子を引っ張り出し、勝手に座る智也。
俺が女に冷たくすると、必ず智也の説教が待っとる。
面倒臭いわぁ~。


「高杉、そんなんじゃ本当に好きな子出来ても嫌われるよ?女嫌いは治さなきゃ」
「…あー分かった分かった。我慢するわ」
「…なら、いいけど」


適当にあしらった俺に、智也は半信半疑の様子。
その時教室のドアが開き、二人の女が入って来た。
智也と顔を向けると、梨華と、その後ろに居て顔が見えない女だった。



「梨華!おはよう」
「…あーっおはよう智也~♪」


朝からバカップルめ。
ニッコリ笑う智也の所に、梨華が駆け寄る。
その後ろを、戸惑ったように付いて来るもう一人の女。
やっぱり顔が見えない。




「…あっ。久し振り高杉くん!よろしくね」
「…よろしゅー」


梨華は爽やかな笑顔を向け、後ろに居る女を自分の前に引っ張り出した。


その女の顔を見た瞬間………心臓が大きな音を鳴らしたんや。







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