俺様or激甘彼氏はいかがですか?
「智也!」
「…あれ?梨華?まだ居たの?」
手招きするあたしに気付き、小走りでこちらに来る智也。
男の子は首を傾げてる。
「どうしたの?」
「あたし、傘忘れちゃってね?この人が親切に入れてくれるって言ってるんだけど、悪いし。だから、智也入れてって?」
「…え?俺?」
男の子に手を合わせて“ごめんね”というポーズを取り、智也の横に行こうとした時。
「…いや、俺じゃなくてこの人に入れて貰いなよ」
「………は、あ?」
思わず間抜けな声が漏れた。
何で?別に智也でいいじゃない。
それに智也、あたしの彼氏でしょ?
「折角親切に言ってくれてるんだから、悪いでしょ。じゃ、俺は帰るね」
「…はっ!?ちょっと智也!?」
「梨華の事よろしくね~」
叫ぶあたしを無視して、笑顔で手を振って帰ってしまった。