俺様or激甘彼氏はいかがですか?


『俺は二組の前田です。返事は、いつでもいいんで。考えといて下さい』


前田くんはそう言って、あたしを家まで送ると帰ってしまった。
しばらくの間………あたしは、玄関で立ち尽くしていた。


……告、られた……。
男の子に告られた………。



部屋に向かい、ベッドにダイブした。
ボーッと天井を見つめる。


『俺だったら、絶対不安になんかさせないのに』


さっきの前田くんの言葉……。
嬉しかったな……。


だって、智也ったら付き合って3年は経つのに、一度もこんな甘い事言ってくれないし。
手繋ぐのも、ギューも、キスも。
全部、あたしからだし。
智也からしてくれたことなんて、今まであったかな?


『好き』


そう告白したのもあたし。
智也は『うん』てだけ言って、自分も好きとは言ってくれなかった。


周りのカップル見て、いいなぁ~って思うこと、何回もあった。
あたしにはあんな事してくれないけど、それでも別れないでいてくれるから、愛されてるんだって。
勝手にそう思ってた。




明日………この事言ったら、智也どんな反応するかな?
ヤキモチ…妬いてくれる?
それともやっぱり、どうでもいいかな?



そんな事を考えていたら、いつの間にか寝てしまっていた。














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