俺様or激甘彼氏はいかがですか?
「…嘘は間に合ってます」
「嘘じゃないよ。昨日も言ったけど、俺は山本さんが好きだから。ちゃんと俺の事知って欲しい」
うぐっ………。
そういう事言われると、反論出来なくなる。
けど、この手は………離してもらいたい!!
「…前田くん!手離して!」
「…やだって言ったら?」
「え……」
「…何やってんの?」
え………?
その声に顔を向けると、そこには智也がいた。
あたしと前田くんの繋がれた手を見て、眉間にシワを寄せる。
やだ……誤解されちゃう…!!
「…っ離してよ!」
力の限りに前田くんの手を払いのけ、智也の元に駆け寄った。
傷付いた顔をする前田くん。
…ごめんね。でも、智也に誤解されたくないから。
あたしと前田くんを交互に見て、苦笑いを零す。
「…えっと…どういう状況?」
「……俺が、山本さんに告ったんです」
「…え?君が?梨華に?」
「はい」
真っ直ぐと智也を見据える前田くん。
智也は前田くんからあたしに視線を移した。
「…梨華、本当?」
「…うん…でも、あたしは智也しか…っ」
「良かったじゃん」