俺様or激甘彼氏はいかがですか?
学校を飛び出し、向かった先は智也の家の近くの公園。
学校帰りに、必ず二人で寄っていた公園だ。
携帯を取り出し、智也に電話する。
お願い……出て……。
何コールか鳴った後、大好きな声が聞こえた。
《…もしもし?》
少し戸惑った、智也の声。
「…今から、智也の家の近くの公園に来て」
あたしはそっと息を吐き、覚悟を決めた。
「…会いたい」
《………!》
――――プツッ…ツーツーツー……
……切れた?てか切られた?
無機質な機械音が流れ、あたしを不安にさせる。
携帯を仕舞い、ベンチに腰掛ける。
見上げれば、綺麗な青空。
智也に告白した日も、こんな綺麗な青空だったな……。
ボーッと空を見上げていた時、砂利を踏む音と共に。
「…梨華……!」
顔を向ければ、必死に走って、あたしの元に向かって来る智也の姿。
一気に愛しさが溢れて、思い切り智也に抱き付いた。