俺様or激甘彼氏はいかがですか?
「…でもさぁ、私高杉くんってそこまで冷たくないと思うけどな」
「……はいぃぃ?」
何を言ってるのよ、梨華さん。
高杉くんのあたしに対する態度を見ましたか?
あれは冷たい以外の何物でもないよ。
「だって高杉くん、普通に話するし、笑うこともあるし。結構紳士的だよ?」
……嘘だ。絶っっっ対嘘だ!
高杉くんが紳士的?
紳士的な人が彼女を放っときますか?
見るからに怪訝な顔をするあたしを、梨華がデコピンした。
「…いったぁ~い…!」
「乃亜は高杉くんが好きで付き合ってるんでしょ?ちょっと冷たくされた位で膨れないの!高杉くんと付き合えてるって、その事にまずは感謝しなさい」
デコピンされたオデコを擦り、少し涙目になった目で梨華を見た。
梨華は腕を組んで、「分かった?」なんて言って来た。
分かってるよ……分かってるけどさ……。
やっぱり不安になるんだよ…。
『高杉くん、本当にあたしの事好き?』
そう聞けたらどれだけ楽だろうか。
高杉くんと付き合えてる。
だからって、文句は言えないの……?
彼女だからって、確信が欲しいと思っちゃいけないの……?
高杉くん……。
あたしの事、どう思ってますか……。