彼観察日記
「なんでそうなる!どういう経路で梨華子からエリザベスになるの!!?」



この人の思考回路大丈夫かな。ちょっと心配になった。


まあ大方私の名前がダサいとかだろうけど・・・



「ん?いやだってさ、梨華子って名前長いじゃん。ほうじょうりかこ。」


「エリザベスのほうがモロ長ぇわ。」


三文字と五文字の差はでかいぞ。


「どういう経路でエリザベスになったのさ。」


質問すると、彼は考える人のポーズをし、しばらく悩むようにして、こう答えた。


「あー・・・梨華子→梨→甘い→パンがなければケーキを食べればいいじゃない→エリザベス、みたいな。」


「あんたアホだね。その発言したのエリザベスじゃなくてマリーアントワネット。」


「え、まじで?」



いま気づいた。みたいな顔しないでほしいよ。
つかもう一度いっていいかな。




頭大丈夫かなこの人。



「まあいいや。俺の名前いってなかった。」


「よくねぇよ!?何自己解決しちゃってんの!?・・・あ、そういや名前・・・」


腹立つから覚えておいてやろう。


実はちょっと惹かれちゃったりもした。
顔はいいんだよね。ムカつく。



「俺の名前は・・・そう、俺こそが真のエリザベスなんだ。」


「殴るぞ貴様。」


真面目な顔でいうな。


「すまんすまん。俺は神宮寺光。普通に光って呼んでくれて構わないよ」


光という名前のこの男は、手と手をあわせてすまんと笑った。


「光ね。私の危険人物ブラックリストに即いれてあげるよ。」


「おぃ!?」


不覚にも焦ったこいつにうっかりときめいてしまった。


「・・・うそうそ!まあよろしくね!」


「嘘かよっ!!うんまあ、よろしく」




私はそれ以降、彼・・・神宮寺光が無性に気になってしかたがなかった。


そういえば、私は光という存在以外で光のことは全くわからない。



どんな趣味なのか、
どうやって学校を過ごしているのか。



気になった私は、


この日から観察日記をはじめた。










観察日記、はじめました。 (彼の気持ちに近づきたくて。)
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