彼観察日記
れっつ観察日記!!
4月18日 天気はれ



彼・・・もとい光が体育の時間に走り幅跳びの新記録を出した━━━━━━


「・・・っと。」


私のクラスは只今数学の時間。先生は一番前でながったらしく授業してるので、私は観察日記を書く。


光のクラスは体育で、2階の窓からのぞくと光の活躍がよく見えた。


「・・・あ、」


コケた。

コケ方が盛大だったので、思わず吹き出したら先生に睨まれた。いかんいかん。


あ、光がこっちみてる。
カッコイイなー。同時にかっこよすぎて腹立つなー。


見とれていたら、チャイムがなった。
やっばノート取れてない。


「次の授業なんだっけ・・・」



光にノートが取れなかった罪をどう問おうかという下らない事を考えていたら、



「やっほー!愛しのマイハニーーー!!」


ガラッと勢い良く教室のドアを開けて、何かが入ってきた。



「誰がマイハニーだ。」

「えっ違うっけ?」



ドアをいとも簡単に破壊しかけたこの男、名前は菊井駿一。茶髪で長めの髪を少量結んでいる。チョロ毛だ尻尾だ。



彼は何故か私のファンらしい。好いてくれているのには感謝したいが、私にとっては不愉快きわまりない。


だって・・・・・・


「今日も写真とったよ!梨華子ちゃんの寝顔!かぁわいいなぁ♪」

「あんた変態。犯罪者。捕まってください。つかいつ撮ったし。」


「あぁ・・・罵倒すら愛の囁きに聞こえる・・・」




変態&ドM&イケメン。
この最悪の組み合わせを見事に兼ね備えているから。


「ゴメンいまこの瞬間からあんた他人ね。」


できるならまじで他人になりたい。切実に他人になりたい。


「それはあれかい?他人からもう一度新たな恋を築き上げていこうっていう遠回しの告白として捉えてもいいのか?」


「どんだけハッピーな脳みそしてるの??」



・・・どうして私の周りはアホ・・・じゃなかった思考回路が正常じゃない人が多いんだろうな。


「ま、とりあえずこの婚姻届にはんこ押して」

「死んでまえ」



付き合いきれん・・・
私は呆れてまた窓のほうに目をやり、まだ彼が片付けをしているところを眺めていた。
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