彼観察日記
4月19日 天気 晴れ


彼の身内がいた。

なるほど。とても可愛い。━━━━








「暇・・・」



授業中、私は光が庇ってくれた、意外に優しいところを見てしまって以来、
光のことばかり考えるようになっていた。


しかしノートはとらなきゃいけない。
単位は大事だよ単位は。



私はまるでコピー機のように黒板に書かれた文字を右から左につらつら写していく。



そして全工程が終了した後、荷物をまとめて帰ろうとした。




「ねーぇっ。北條ちゃんって貴方??」



後ろから話し掛けられた。ゆるく巻いた栗色の髪、小柄でくりくりした黒目がちの目。


いかにもモテそうな可愛い女の子だ。


しかしどっかで見たなこの人。



「あのー・・・どこかでお会いしました?」


私が質問すると、女の子は小首を傾げて

「やだー!会ったことなんてないよっ!でも可愛いー!」


といいながら抱き着いてきた。
あ、いい匂いする。



「あのねあのね、私、可愛いの大好きなの!私の家に遊びにこない??着てもらいたいお洋服があるんだぁ!」


女の子は抱き着きながら上目遣いで家にこないかと誘ってきた。


いや、見ず知らずの人の家に行くのは気が引ける。


「うーん・・・」


第一名前も知らない。
どうしたことか・・・
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