呪いの兆しは妖精と
信じられない。
何を言い出すのかと思えば……
「オレは人殺しなんかになりたくねーよ!!」
「いいから早く!!」
リュカはオレの背中に回り込んだ。
途端に背中を強い力で押されたような感覚が走る。
オレは前へつんのめった。
ジャリ、と砂が鳴る。
それに気付いたのか、佇んでいた男がこちらに顔を向けた。
「……」
お互いに目が合う。
何とも言えない沈黙。
一瞬の間。
そして、彼は人間とは思えないような叫び声を上げて走り寄ってきた。