嘘つきヴァンパイア様
どうして、だろうか。愛した方に、抱かれた記憶の欠片も自分は思い出せないのか。
そこまで、重症なのか。涼子は思わずにいられなかった。
難しい顔をして考える涼子。そんな時、レシィが問いかけた。
「お悩みごとですか?私でよければ、お話くださいまし」
「…え?」
無表情で、なにも興味がないような顔をしたレシィの思わぬ言葉。
涼子は少し驚いた。
(言っても、いいのかな…)
言いたい気持ちはあるが、涼子は上手く言葉に出来る自信はなかった。そもそも、このようなことを相談して、呉羽にバレないか。
不安を感じたが、涼子は意を決し横にたつレシィを見上げる。
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