嘘つきヴァンパイア様
「まぁ、そうなの…記憶を失ってから初めて。けど、なんか本当に初めて抱かれたって、気がするんだ」
「痛かったのですか?」
「そ、そういう初めてじゃなくて…。あ、いや…それもないこともないないけど、今言っているのは、そうじゃないの」
「…意味がよくわかりませぬ」
しどろもどろに言う涼子にレシィは冷たく言った。
そんなの涼子にだって、わからない。彼女もこのような疑問初めてなのだから。
「えっと…ね。私が言ってるのは過去に呉羽に抱かれた記憶が不思議とないってこと。さっきも聞いたけど、レシィはそういうとこない?」
あると言うのなら、おかしくはない。
思いだせないだけだと、思えるが、レシィは予想外のことをこたえる。
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