嘘つきヴァンパイア様
「残念ながら、ございません。わたくしが身をゆるしたのは、この世で一人の神のみです」
「…え?」
またもや、手が止まる。自分のことよりレシィの台詞に涼子の興味が移行した。
「それって、レシィの恋人?」
「求められれば答えるだけです」
「あら…まぁ。大人…え、どんな神様なの?」
久しぶりの恋愛話。涼子の頭のなかに、呉羽のことはもう、なかった。
次々とぶつけられる質問にレシィは無表情のまま答えていたのだった。
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