嘘つきヴァンパイア様
「涼子様、今しがた、居眠りをされました?」
「へ!?ま、まさか。大丈夫……だよ?」
必死に否定しながら、内心彼女は「まずい。寝てしまった…」と思っていた。
今日、涼子はレシィに言われ、書物庫で「天界の歴史」について教わっていたのだ。
朝食を食べている際、ユノが突然訪れ、「そろそろ、天界について勉強を」と言われてしまい、今に至る。
花嫁として、知らないなど言語道断だ。
と、言い放ち、レシィと共に、来たのは良かった……が。
難しい話が、涼子には子守唄のように聞こえてしまい、居眠りをしてしまった。
たが、認めるわけにはいかなく、否定しながら、再び用意された分厚い本を眺める。
天界の歴史とはとても難しい。同じ人間の歴史なら、小学校からずっと勉強をしてきたのだから分かりやすいが、今回は、神様のこと。
全くの一からのスタートに涼子は気が重かった。
(人間と神様がもとは同じで、ある日をさかいに別れた。そして、別々に住むようになった。って、ことは理解できたけど…難しいなぁ)
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