嘘つきヴァンパイア様
「……はぁ」
思わず口からため息が出てしまう。そんな涼子を見たレシィもため息混じりに言う。
「休憩なさいましか?昼食のお時間もまじかですので」
「え?いいの?」
「はい。嫌なら、続けまし」
レシィの提案に涼子は目を輝かせた。思いのほか優しい言葉に彼女は満面の笑みを浮かべ頷き、椅子から立ち上がった。
「とんでもないです。休憩しましょう!」
広げられた沢山の書物を閉じ、テーブルの隅に寄せる。
あからさまな態度だが、このまま続けては頭がパンクしてしまいそうだ。
「かしこまりました。では、お食事の準備をなさいますので、お部屋でお待ちくださいまし」
レシィの言葉に頷き、涼子は嬉しそうに書物庫を後にした。
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