嘘つきヴァンパイア様
彼らとは、希に渡り廊下で顔を合わすとこが多々ある。
屋敷内の巡回だと、レシィがいっていた。
「いつも、御苦労様です」
軽く微笑みながら、言うと家来もニコリと微笑み「ありがとうございます」と言葉を返す。
「本日は、呉羽様とご一緒ではないのですか?」
「え?あ、うん」
「左様ですか。また、お邪魔したら悪いかと思いまして」
「だ、だから…あの事は忘れて!」
あの事はとは、数日前に家来達の前で、呉羽とイチャイチャしてしまったこと。
あの日から、家来達は、涼子の姿を見るたびに呉羽の存在を気にする。
むしろ、わざとかと思うこともある。なぜなら、無駄に笑顔の家来達。それに加え、屋敷内であの事は噂になってしまったのだから。
呉羽は全く気にしてないが、涼子は恥ずかしくて仕方がないと言うのに。
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