嘘つきヴァンパイア様
涼子の言葉に家来は苦笑いしながら、頷いた。
「恐れおいですが、呉羽様のことは尊敬しております。なにより、罪をおった我らを屋敷の家来としての立場を下さったのですから。呉羽様からお聞きになったのでは?」
「あ……うん、まぁ……」
この冥界は、罪をおった神様の集まりだ。
その通り、家来たちは人間に手を出すと言う大罪を犯した、と、聞いたことを思いだす。
うなずく彼女に家来は続ける。
「そうですか。あ、ご安心を。涼子様には絶対に手は出しませんので
「そんなこと、思ってませんよ」
家来の言う通り、そう思うのも可笑しくはないはずなのに、涼子は家来達に対してそのようなことは全く感じない。
呉羽があの時彼らを見つめていた視線や、王だと言うのに、友達のような態度。
涼子に対してもそうだ。言葉は敬語だが、会えば声をかけてくれる。
彼らは罪を犯していたとしても、悪い神様ではないと、彼女は思っていた。
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