嘘つきヴァンパイア様


「そうですか。ありがとうございます。あ、それより、涼子様はどちらに行かれるのですか?」

「部屋に。レシィがご飯用意してくれるまで、待ってるの」

「なら、部屋までお送りしますよ。あ、ちなみに我はアルフレートと申します。家来達を統括してます」


「そうなんだ。よろしく、アルフレートさん」



アルフレートが差し出した手を握り返せば、優しくその手が握られる。


逞しい腕にしては、優しい握りかたをするアルフレートのギャップに笑みを溢すと涼子はあるものが目にはいった。



「あれ、アルフレートさん、そこ怪我してますよ?」

アルフレートの腕には、掠り傷のようなものがある。数センチほどだが、うっすらと血が滲んでいる。

たが、アルフレートはその傷をみると、「あぁ」と呟き、特に気にすることまなく腕を組む。


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