嘘つきヴァンパイア様

事故




***


涼子がホームに向かう姿を時おなじく、人混みに紛れながら見つめるブラウンの瞳の男がいた。



バックを肩に掛け階段を上がる彼女の後ろ姿に口元をニヤつかせそのまま腕を組んだ。



「…あれが、カトレア様の生まれ変わりか…流石に人間では姿はまるっきり異なるのか」



想像していたモノとは遥かに違ったのだろう。絶世の美女とうたわれたカトレアの生まれ変わりとは異なる見た目に男は嘲笑った。

すると、男の背後からヒールの高い靴を音を立てずに歩いてきた一人の女性が彼の背後に立つ。


その彼女の独特の雰囲気を感じ、ニヤつかせた口元を元に戻し振りかえる。

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