嘘つきヴァンパイア様
「あぁ。不満や愚痴もあるしたたまに女の口説き方を教えとかもある」
「なにそれ、呉羽、こたえてるの?」
「聞かれたら答えるさ」
悪いわけではないが、それを聞くと涼子は少し複雑な気分になる。
呉羽はカッコいいこら其なりに経験はあるだろう。
分かってはいるが、少し彼女は妬けてしまう。
「そうなんだ。へぇ……仲がいいんだね」
理解は机にうつ伏せ、視線を上目遣いで彼をみる。
見下ろすブラウンの瞳に涼子がうつる。その顔は少しいじけたようだ。
「仲が、いい?どうだろうな。俺より、お前だってギルドと仲良くしたじゃねぇか」
「だから、それは謝ったじゃん……意地悪」
「今さらだろ?それが良かったくせに」
「よ、よくないし。呉羽、最近意地悪だよ?記憶をなくしたときは、そんなことなかったのに………って、あ」
その時、ふと、忘れていた事を思いだす。
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