嘘つきヴァンパイア様


「そのようなことがあっては、困りまし。ないことを前提で言ったまでです」


「え?あぁ……そっか」


そう言う意味かと納得する涼子を前にレシィは絵画から視線を涼子に動かしまた絵画を見る。


「ところで、何か見えましたか?」


「あ、ううん。全く、何も見えない」


「そうでしか。まぁ、その……涼子様は涼子様でし。カトレア様ではないので、無理に見なくてもよろしいかと。見えなくとも、呉羽もレシィもお側にいまし」



涼子が落ち込んでいると思ったのだろうか。


無表情でたまに、毒舌なレシィからでた励ましのような言葉。


言われてみれば、レシィとはこの屋敷にきてから沢山世話になっている。


身の回りのお世話や冥界のことを教えてくれたりと。


掴みにくく、笑えばいいと思っていた涼子だが、最近はこの無表情が当たり前になってきてる。

友人とは、少し違う。たが、それ以上の関係のレシィが涼子は結構好きだったりする。



< 289 / 475 >

この作品をシェア

pagetop