嘘つきヴァンパイア様


「なら、只ではすみませんね」


「え?それ、どういう意味……って、まさか!呉羽、レシィ達になにか言ってるの!?」


「レシィは口が固いので、言いません」

口を抑え、中央ホールを出ていこうとするレシィを追いかけ、その肩に手を回す。


「レシィ、言いなさいよ。大丈夫、呉羽には言わないから!」

「いやでし」

「そう、言わずに。お願いいたします!レシィ~!」


「しつこいでし!それより、涼子様、お部屋に戻り、外出の準備をなさってくださいまし」



涼子を無理矢理、引き離しわざとらしく距離を取りながら言う。


外出の準備。庭にでもいくのだろうか。


そう思い「庭にいくの?」と涼子が返すとレシィは首を左右にふり、否定する。


なら、外出とはどこにいくのだろう。

不安に思いレシィの言葉をまつと、彼女は窓の外、城下町を指さし言う。



「本日は、城下町に出掛けましょう。アルフレートに教わったのなら、ぜひ」







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