嘘つきヴァンパイア様


***


「へぇ、城下ってこうなっているんだ」


その後、レシィに連れられ城下に来た涼子は、レンガに似たものでつくられた地面を歩きながら美しい街並みに感激していた。


冥界の城下は日本ではない外国の建物に似ている。

屋敷から見るだけだったこの景色を目の前でみて、改めてその美しさに惚れぼれしてしまう。


案内してくれるレシィより我先にと歩く彼女に少し低い声が響いた。


「涼子様、お待ちを」


腕を組みながら言う声の主はルカだ。外の門番で、派手な格好をしたケルベロスの血を引き継ぐ神様。


なぜ、このような所に門番であるルカが涼子たちといるのか。



実は屋敷の本門を出る際にルカに場所と行く理由を伝えていた。


< 293 / 475 >

この作品をシェア

pagetop