嘘つきヴァンパイア様
最初は軽く納得したルカだったが、突然と「花嫁の護衛がレシィだけでは不安」だと言い出し半ば強引についてきたのだ。
無論、レシィはムッとし断った。だが、半ば強引にルカはついてきてしまい、今に至る。
そのお陰で、レシィはさらに無表情になり、ここに到着してからも一言も話さない。
何が気に入らないのか分からないが、ルカとレシィの間には何かがあると、涼子は口には出さないが踏んでいたのだ。
「あ、ごめんなさい。つい」
脚をとめ後ろから歩いてくる二人も待つ。
護衛のものより前にでるのはよくないのかもしれない。また、レシィに自覚がないと言われてしまう。
そんな彼女にルカはニコリと笑い派手なピアスを揺らしながら近づく。
逆にレシィは無表情のままで、近づきルカとは正反対の方角を見ていた。
「いや、いいさ。それより、ここが城下の真ん中だ。呉羽様と巡回する時はここを集合場所にしている」
そこは、広い広間がある。
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