嘘つきヴァンパイア様
「なにをする!育ての親に向かって!とんだ親不幸者だ」
「育ての親?あの、レシィとルカさんの父親なんですか?」
聞き捨てならない話に手を止め問う。すると、ルカは少し面倒そうに答える。
「そうだ。血は繋がってないけどな」
「そうそう。ルカの親は生まれて間もなく死んだんだ。だから、俺が親代わりに育ててきた。レシィは少し違うけどな」
「え、そうなの?レシィ」
言われてみれば、レシィと家族について話した事はない。
長い間、共に過ごしたが知らなかったことに少しショックを受ける。
レシィは男は睨むように見つめプイッと素知らぬ方向を見た。
「余計なことを言わないでくださいまし」
「なんだ、それ。まさか、お前、花嫁様に言ってないのか?」
質問に答えないレシィ。肯定しているのだ。
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