嘘つきヴァンパイア様


小さな人間の子供が、珍しい色をした猫だと捕えたのだ。それだけなら、逃げ出せば良かった。だが、それだけではすまない。


その子供は、帰る途中に事故に巻き込まれそうになり猫を手放し、レシィの親の命が奪われた。


その復讐をするために、レシィは猫になり子供を襲った。けれども、その事が、王にばれ、レシィは冥界に追放されてしまう。


その時に男にあい、育てられた。


(…レシィに、そんな過去があったんだ……)



レシィのしらなかった過去。親を失うなど、両親に愛され育った涼子には分からない。


だけど、レシィの胸の痛さは、不思議なことに分かる。大切な人の為に……。


誰かの為になどと、正当化するのは違うかもしれない。ただ、涼子も、もし、両親や呉羽やレシィが同じ事になった……そう考えればわからなくとないからだ。



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