嘘つきヴァンパイア様
「…黙っていて、申し訳なかった…でし」
話を終えたあと、レシィは軽く頭を下げた。
言わないのはいけないと、言われたこともあっての謝罪だろう。
だけど、涼子は謝るレシィの手に自らの手を添えた。
「どうして、謝るの?レシィ」
「え?どうして……それは、主様の花嫁である涼子様に秘密ごとをしていたからでし……」
「それって、謝ることじゃないと思うよ。誰にも言えない秘密って、みんなあると思う。呉羽の花嫁だから、言わなくちゃいけないって、言うのは違うよ。私だって、呉羽に言えない秘密あるもん」
涼子の言葉に無表情な顔をキョトンとさせ「え?」と腑抜けた声をだす。
「うーん。そうだな、例えば……実は体脂肪が高いとか。初キスは五歳の時に幼なじみとしちゃったとか……色々と」
言い出せば、きりのない秘密は沢山涼子の脳内に浮かぶ。
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