嘘つきヴァンパイア様


そんなどうでもいい秘密にレシィは表情をひきつらせた。


「いえ、それと……レシィの罪は……違いまし」


「え?どうして……?」

「それは、主様の花嫁には、言わなければならないことだからでし。涼子様は人間ですから気にならないだけでし。レシィは……レシィは……」


レシィにしたら、この事は言わなければならないって思っていたのだ。


尊敬する主の花嫁。その花嫁はレシィにしても尊敬する存在にあたるからだ。カトレアの生まれ変わりということもあるが、レシィはずっときにかけていたのかもしれない。


「そっか、わかった。話してくれて、ありがとう、レシィ」


彼女の肩をだき、抱きつくとレシィは抵抗することなく受け入れる。


誰かに触られるのは嫌いなレシィだが、涼子は少し違うのか、そのまま抱きつ涼子を無表情な顔でみた。


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