嘘つきヴァンパイア様
第4章
浮かぶ不信感
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城下を探索してなら、はや3日が経過した。
城下にいったことにより、呉羽がこの界の神様たちにとって、愛されていることがわかった。
それは呉羽が築き上げて来たものであり、固いものだと。
だから、屋敷で呉羽が誰かと楽しそうに話しているのをみると、涼子も嬉しくなっていた。
そんな、ある日のこと。月が黄色に輝く昼間、呉羽の仕事部屋、いわゆる執務室に涼子と呉羽はいた。
黒い机を挟み、呉羽は涼子に赤黒い表紙の本を差し出し机におくと、頬杖を付きながら微笑む
「これで、いいのか?珍しいな。涼子が進んで冥界のことを知りたがるなんて。しかも、そんな分厚い本を」
「うん。まぁね。ありがとう」
実は、涼子がこの部屋にいる理由は呉羽に冥界についての書物を借りるためだった。
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